器材の基礎知識

海の中は、空気のないしかも水という物質に取り囲まれた世界です。
人間は陸上と違って、何も身に付けない状態では思うままに動けないばかりか、生命の維持すらできません。
そんな本来人間が活動しないはずの空間である海の中で快適にダイビングを行うためには、さまざまな器材(ダイビングギア)を装着し、駆使しなければいけません。
器材はそれだけ重要なものです。
ここではそんな重要な役目を持つ器材について解説していきます。
正しい知識を得て、自分にぴったりの器材を使用するすることが、安全に楽しくダイビングをするコツなのです。

フィン

効率的に水中で泳ぐためにダイビングではフィンを必ず履きます。

選ぶ際のポイント

フィン

フィンには、さまざまな素材、形状、大きさ、特徴のモデルがあります。
対象とするダイバーも、初心者用から上級者用、オールマイティのもの、女性向けや脚力のない人向けなど様々です。
選ぶ際は、まずは自分の脚力や上達度に合わせて選ぶといいです。フィンの硬さや大きさなどによって水の抵抗値は変わります。
大きくて硬いフィンのほうが総じて推進力はありますが、使いこなすためには脚力やテクニックが必要となります。
初心者や女性は、最初はあまり大きくなく硬くないフィンを選んだほうが使いやすくお勧めです。

マスク

マスクは、水中ではっきりと物を見るため、そして海水から目を保護するための器材です。

選ぶ際のポイント

マスク

まずは、マスクの顔に触れる部分(スカート)が、顔にフィットするかどうかを確かめましょう。
実際に装着して、息を軽く吸って止めたままにして、下を向いてもマスクが落ちないモデルがいいです。
基本的にガラス面が広い方が視野は広くなりますが、あまりに内容積が大きいと、マスククリアする際に多量の空気を必要になります。
視力の弱い人は、オプチカルレンズ(近視、遠視、遠近両用)の有無も忘れずに確認しておきましょう。

スノーケル

水面を泳ぐ時、顔を上げずに泳げるようにスノーケルをくわえます。

選ぶ際のポイント

スノーケル

まずは、それぞれの製品によってマウスピースの大きさが違うので、自分の口にあった物を選ぶようにしましょう。
マウスピースが大きすぎると口の中を痛める可能性があり、小さすぎると外れやすくなります。

レギュレーター

レギュレーターは、水中で陸上と同じように呼吸するために空気を供給・排出するための器材です。
タンクの中の圧縮された高圧の空気を、周囲の水圧と同じ圧力まで減圧し、水中のどの水深でも自然な呼吸ができるよう調整し供給するのが主な機能となります。

選ぶ際のポイント

レギュレーター

機種によって呼吸した際の感覚(呼吸抵抗)に違いがあり、また水深によって違いが出てくることもあります。できればさまざまな製品を試してみるといいです。メーカーやショップなどが行っているモニター会などに参加するのも手です。
もしなかなか試す機会がないという場合は、インストラクターなど有識者からアドバイスを受けてもいいです。
また、もし海外や沖縄へのダイビングなど、旅行のパッキングに器材を入れなければならない場合などを考えた際は、重量やコンパクトさも重要なポイントとなります。
自分の求める機能や性能を犠牲にしない範囲でコンパクトさを判断基準に入れてもいいでしょう。

オクトパス

オクトパスは、緊急時のバックアップ用レギュレーターのことです。

選ぶ際のポイント

オクトパス

予備用だからと言って、性能的に劣るようなものはダメです。いざというときに十分な性能を発揮できなければ意味がありません。
その上で小さく邪魔にならないタイプがお勧めです。
BCのインフレーターと一体化していたり、接続するタイプは、ファーストステージに接続するホースを1本減らすことができるので、パッキングの際はコンパクトに収まります。

BC

BCは水中や水面で、安定した姿勢を保つための器材で、正式にはBouyancy Compensator Divice(浮力補正装置)といいます。

選ぶ際のポイント

BC

ジャケットタイプ、ショルダーベルトタイプ、バックフロートタイプ、蛇腹ホースなしタイプ、メーカー独自のオリジナルのタイプなどそれぞれのタイプに特徴があるので、自分が何を必要としているのかをよく検討して、試用して比較できればベストです。

もし試用がなかなかできない場合は、インストラクターやガイドなど知識のある人に相談してみるといいでしょう。
もしモデルが決まったとしても、試着して身体にフィットしているかどうかは、しっかりと確かめてください。大きいとブカブカしたり、水中や水面で泳ぐときの抵抗になるし、小さいと空気を入れたときに圧迫感を感じることになります。

ダイビングコンピューター

安全なダイビングを行うための情報を伝え、必要なときには注意喚起を行ってくれるのがダイビングコンピュータです。

選ぶ際のポイント

ダイビングコンピューター

まず自分が必要とする機能が揃っているかどうかを考慮しましょう。
どの機種もベーシックな機能はたいてい備えているので、その他の個人的に必要とする機能が入っているかが判断基準となります。

たとえば、安全面を細かく注意しておきたい人は、体調によって安全係数を変えられるよういくつかの選択肢が設けられているモデルがお勧めですし、湖などを潜る人は高所潜水対応機能があるタイプなど、購入する際に店員に自分の求めるダイビングスタイルを伝えて選びましょう。
また表示の見やすさも重要なポイントです。必要な情報がすぐに読みとれるかディスプレイの大きさ、文字の大きさ、見やすさなどを考慮しましょう。

ゲージ

ダイビング中に必要なデータを確認するための各メーターが並んでいるものがゲージです。
一般的に、残圧計と水深計を組み込んだ2連タイプや、残圧計、水深計、コンパスを組み込んだ3連タイプ、残圧計や水深計の機能をもつダイビングコンピュータを内蔵しているタイプ、残圧計のみ、コンパスのみといったタイプがあります。
残圧計はタンク内の残りのエアの量を表示し、水深計は水中でダイバーがどのくらいの深さにいるかを表示します。
コンパスは現在どの方角に進んでいるのか、進めばいいのかを把握するために必要となります。

選ぶ際のポイント

ゲージ

ダイビングコンピュータと併用するのであれば、ダイビングコンピュータにない機能、例えば、残圧計やコンパスなどをまずは揃えましょう。
選ぶ際は、残圧計、水深計、コンパスのどれも精度と見やすさ、耐久性、重量、大きさなどをしっかりと考えて選ぶようにしてください。

ウエイト

ウエイトは、ウエットスーツやドライスーツなど浮力を持つ器材を装備する際に、無理なく水中に沈め、水中で安定した姿勢を取るために必要となります。

選ぶ際のポイント

ウエイト

基本的には潜りに行った現地でレンタルするのが一般的です。
レンタルのウエイトは腰にベルトでまくタイプがほどんどです。腰に負担をかけたくない場合は、足に巻くタイプやベスト形式になっているものの購入をお勧めします。

ウェットスーツ

水中で、寒さやケガから身体を守るための用具がウエットスーツです。

選ぶ際のポイント

ウェットスーツ

まず、自分が潜る海が、どんな海(水温)なのかを考慮して生地の厚さを選びましょう。
伊豆など温帯中心ならば、5mm以上の厚さ、暖かい南の海ならば3mmでいいでしょう。
また生地の厚さと共に、スーツの形状も重要です。
袖無しにするのか、半袖にするのか、長袖にするのか、半ズボンにするのか、長ズボンにするのか、ワンピースにするのか、2ピースにするのかなど、生地の厚さといっしょに考慮しましょう。
身体を守るということに関しては、肌の露出が少ない長袖・長ズボンのフルスーツにしておいたほうがいいでしょう。

ドライスーツ

ドライスーツは水温の低い海で潜るためのスーツで、手首とクビの部分をしっかりシールドすることにより文字どおり身体が濡れないようになっています。

選ぶ際のポイント

ドライスーツ

まず、できるだけ動きやすい身体にフィットしたものを選ぶようにしましょう。
ただし、スーツ自体はあまりタイトにフィットするものだと、スーツの中にインナーを着込めなくなるので、自分が着るインナーのことも念頭に入れておくようにしましょう。
排気バルブの位置にも、二の腕や手首、足首などいくつかのタイプがあるので、自分が使いやすいと思う位置のモデルを選ぶようにして下さい。
また、フードが付けられたり、別で用意できるので、できれば用意しておいた方が万全でしょう。
もし流氷の海などを潜るつもりならば、寒冷地仕様にしておきましょう。

グローブ、ブーツ

ダイバーの皮膚を岩やサンゴ、危険な生物から保護したり、保温したりするための器材がグローブやブーツです。

選ぶ際のポイント

グローブ、ブーツ

グローブは、主に自分が潜る水温に合わせて厚さを選びましょう。
できるだけ実際に手にはめてサイズ、フィット感をチェックしましょう。

ブーツも、フィンや用途を考えて選びましょう。
特にフルフットタイプのフィンを使っている人は、フィンにフィットするタイプのブーツ形状を選ぶようにしてください。

水中ライト

水中ライトは、ナイトダイビングや不良コンディションのとき、洞窟や穴、窪みなどの暗所で生き物を探すときなど、視界が悪いときに必要となる器材です。
大きさ、重さ、光量、バッテリー寿命、携行方法など、さまざまな種類があるので、自分の用途に合わせて選ぶようにしましょう。

水中ナイフ

水中ナイフ

水中で浮遊する釣り糸や、漁網などに万が一絡まってしまったりしたときに脱出するためにも携行しておいたほうがいいのが水中ナイフです。

セーフティグッズ

水面で流されたときなど、いざというときに有効なのがシグナルフロートやホーン、海面着色剤、ストロボライト、ミラーといったセーフティグッズです。

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