ダイバーの中には、一緒に潜った人たちと比較して、自分の残圧が少ないと悩んでいる人が少なくありません。
しかしエアの消費量は、一概に他人と比較して多い少ないと決められるものではありません。
女性よりも男性のほうがエアの消費量は多いし、身体の大きさ、肺活量の大小によっても消費量は全く違ってきます。
また同じようにダイビングをしていても個人個人で潜った水深は多少なりとも違ってきますので、ここでも差は出てくるのです。
エアー消費は他人との比較ではなく、ストレスが減って、スキルが上達(この判断は難しいのですが)した上で、多少の水中での動きの違いやストレスによって消費量が変動しない(安定する)ことが大切なのです。
自分の空気消費の多い人は、多い中でも安定してくると、自己のスキルを見直すより「これが自分の消費量だ」と思い込んでいる人が多いようです。
スキルのキッチリ判断できるインストラクターに見てもらうと、スキルの無駄があるケースがほとんどです。
消費量の目安と計算式は下記の通りです、一度自分の消費量計算をしておくといいでしょう。
空気消費量の計算と目安は、
※スチールタンクの場合は通常ウエイト量を2kg減らしますが、スーツはメーカーや使用頻度により浮力が違ってきますので、器材によって調整が必要です。
エアの消費量は人によって異なりますが、自分の目安を把握して安定するように努力しましょう。
エアの消費量は少ないほうが良いのですが、ストレスやスキル不足などが原因でエアの消費量が増えてしまいがちです。
ストレスがあると呼吸は荒くなり、回数も増え、脳の酸素消費量も多くなります。
スキル不足は、フィンキックがちゃんとできないがために疲れてしまったり、ちゃんと中性浮力が取れないがために、無駄に呼吸を繰り返してしまっているなどがあります。
まずは、ストレスのないリラックスした状態でダイビングを行うようすれば、呼吸は落ち着き、無駄に大きく回数の多い呼吸をしないでも済むようになるはずです。
また、以下のような場合にもストレスが発生します。
「水に対する恐怖心」や「中層を浮かんでいることへの恐怖心」「閉所・暗所などへの恐怖心」などは、とにかくゆっくりした呼吸を心がけリラックスして楽しんでください。
たとえば、
といった、穏やかな場所であまり動き回らないダイビングなどが効果的です。
また経験値を増やしていけば段々となくなっていくということもあります。
「ダイビングスキルに対する不安」「耳抜きへの不安」「潜降への不安」などは、しっかりとしたスキルを身に付け、中性浮力が取れるようになると解消できてきます。
ストレスを取り除くためには、不安感のない環境や経験値の向上、スキルの上達などが効果的なのです。
また、絶対にやってはいけないことは、無理にエアの消費量を減らそうと呼吸を我慢することです。
そんなことをすると、身体の中に二酸化炭素が蓄積されていき、脳から呼吸中枢に「もっと空気が欲しい」という指令がいくため、自然と呼吸は増え、我慢する前よりかえって消費量が増えてしまいます。
Copyright(C) BSN All Rights Reserved.