2.器材のメンテナンス-洗浄編-
洗浄から乾燥、収納など、マイギアをしっかりとメンテナンスするための基礎知識をご紹介します。
まずは洗浄の方法です。
真水で洗浄する
器材メンテナンスの基本は真水洗い
ダイビングが終わって、しばらく器材をそのまま放っておいたら白い粒子がついていた、なんてことありませんか?
この白い粒子の正体は、もちろん塩です。
海水の中でダイビングをした後、水分が蒸発し塩分だけが残ってしまったわけです。
この塩分というのは、非常にやっかいな物質です。
鉄などは簡単に錆させてしまうし、錆びることのない素材だとしても付着して変質させてしまったり、可動部分なら動きを損なわせてしまうこともあります。
この塩分をしっかりと取り除いてやることが、器材のメンテナンスの第一歩となります。
まずは、しっかりと真水で塩分を洗い流してあげましょう。
ただしダイブクルーズなどで、真水が貴重という状況の際は、器材の水洗いは最低限に抑えて大事な真水を使いすぎないようにしましょう。
その場合はレギュレーターとBCのインフレーターを優先的に洗うようにします。
あとは家に帰ってからしっかり洗い直すようにしましょう。
レギュレーター
レギュレーターの洗浄では、必ず「ダストキャップを締めて」行い、「水の中でパージボタンを押さない」ということに注意しましょう。
どちらの場合もファーストステージや中圧ホース内に水が浸入し、カビやサビの原因となり、レギュレーターが正常に機能しなくなります。
重点的に洗うのは、ファーストステージのウォーターポート(水圧感知穴)や、セカンドステージの内部です。
またホースプロテクターもたまに移動させ隠れている部分を洗いましょう。
またスイベルはよく動かしながら洗います。
BC
BCの洗浄は、外部と内部の両方を行います。
まず外部では、排気弁、給気ボタン、排気ボタン、バックルなどを重点的に洗います。
またカマーバンドなどベルクロ部分にはゴミが付きやすいので、取っておきます。
次に内部ですが、まずインフレータホースの先の排気バルブを押しながら、吸気口から中の海水を排出します。
そして同じく吸気口に水道水のホースを押しつけてBC内部に真水を入れ、BCを揺すって内部をよく洗います。
その後インフレータホースの付け根が一番下になるようBCを傾け、排気バルブを押して内部の水を排出します。
この作業を2~3回繰り返し、内部の塩分をしっかり取り除くようにしましょう。
真水を入れるときには、空気もある程度入れてやると、水を排出する際水が抜けやすくなります。
ダイビングコンピュータ
真水でよく洗って、すぐに水気をふき取るようにしましょう。
特に水深、水圧などの感知部分はしっかり洗うようにします。
ここに塩分が固着すると、正しいデータが取れなくなってしまう場合があるからです。
ダイビングコンピュータの場合、水の中にずっと浸けておくと、水分や水圧を感知して画面表示が灯きっぱなしになり、バッテリーを無駄に消費してしまうので注意が必要です
コンソールタイプの場合は、定期的にコンソールから取り出して汚れや水分を拭き取ってあげましょう。
ゲージ&コンパス
真水で洗う際は、水深計は水深感知穴を、コンパスはベゼルを、そしてスイベルなどの可動部分を動かしながらしっかりと洗いましょう。
コンソールブーツからゲージが取り出せるものは、たまに取り出して洗うとよいです。
ウエットスーツ
ファスナーは塩がみ、砂がみしやすいので、水中で動かしながら洗いましょう。
洗剤などは使わないようにします。
これはジャージとスキンを貼り付けているノリが溶けてしまうことがあるからです。
ドライスーツ
まず、ダイビングが終わったら着たままシャワーを浴びてしまうのが一般的です。
防水ファスナー、バルブは閉めた状態でホースなどで水をかけ、給排気バルブは動かしながら洗います。
今後しばらく使わないときや水没してしまったときなどは、内側も濡らしてしっかりと洗ってあげます。
マスク
バックル部は砂が噛んだり、塩分が固まりやすいので重点的に洗います。
ストラップが簡単に外せるものは、緩めるか外して洗ったほうがよいです。
取り外しが面倒なタイプは、バックルを動かして洗います。
排水弁付きマスクは、弁に砂などの異物が挟まっていないかチェックします。
またガラス面とスカートとの間に砂が入ってしまったような場合には、流水で勢いよく洗います。
それでも取れなければ分解して掃除することになります。
スノーケル
洗浄は、ゴミや砂などの異物が挟まることもある排水弁を中心に、内部にしっかり水を通して洗いましょう。
フィン
ストラップが簡単に外せる場合は外し、そうでないものは緩めて、動かしながら砂やゴミが噛んでいないかチェックしながら洗います。
ブーツ&グローブ
ブーツはファスナーの部分に小石や砂・ゴミなどが挟まっていないかをチェックしながら、水中で動かして洗いましょう。
グローブの汚れは、石鹸などを使って落とします。
ファスナーは他の器材と同じく動かしながら洗いましょう。
またベルクロにはゴミや砂が絡まりやすいので、もし付いていたらできるだけ取るようにしましょう。
ライト&ナイフ
ライトは、スイッチなど可動部分を動かしながら洗いましょう。
ナイフは、柄と歯の付け根をよく洗いしましょう。
刃の付け根の部分や多機能ナイフの凹凸などには、塩が固まりやすいので注意します。
またナイフ本体だけでなく、ケースの内外もよく洗い、サビの原因となる塩分を落とします。
バッグ
メッシュバッグは全体を水に浸けて洗います。ファスナー部分を動かして洗うようにします。